回復期心臓リハビリテーションにおける高齢心疾患患者に対する低～中強度レジスタンストレーニングの効果

Abstract

高齢心疾患患者に対して、低～中等度の強度までのレジスタンストレーニングが運動耐用能や筋力に対して有効かどうかを検討した。急性期治療後、外来での回復期心臓リハビリテーションに少なくとも3ヵ月以上参加した75歳以上の高齢心疾患114例(平均78.2歳)について、後ろ向きに検討した。運動耐用能はいずれの群においても経時的に有意な改善を認めたものの、握力・膝進展筋力については有酸素運動のみの群では改善はみられず、低～中等度レジスタンストレーニングを行った群においては有意な改善が得られた。また、開始3ヵ月目のベースラインからの改善率については、いずれの指標についてもレジスタンストレーニングを行った群は有酸素運動のみの群に比べて有意に高かった。低～中等度強度のレジスタンストレーニングを有酸素運動と組み合わせて行うことは、高齢者心疾患患者の運動耐用能、筋力の改善に有用であった。