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22巻 >

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タイトル: 熱中症との鑑別が困難であった急性心筋梗塞の2症例
その他のタイトル: Two cases of acute myocardial infarction which were difficult to distinguish heat disorder
著者: 井田, 円
富士榮, 博昭
小山田, 尚史
浜中, 一郎
上田, 欽造
キーワード: 熱中症
急性心筋梗塞
心肺停止
ステント治療
Heat disorder
Acute myocardial infarction (AMI)
Cardiac pulmonary arrest (CPA)
Primary stenting
胸部X線診断
心室細動
鑑別診断
心電図
X線CT
熱射病
冠血管造影
致死的転帰
薬剤溶出性ステント
経皮的冠状動脈インターベンション
発行日: 2011年3月31日
出版者: 洛和会ヘルスケアシステム
引用: 洛和会病院医学雑誌(1341-1845)22巻 Page79-84(2011.03)
抄録: 2010年はまれにみる猛暑であり、全国で熱中症の患者数が3万人を上回った。熱中症と心筋梗塞は全く異なる疾患であり、併存するとの認識は少ない。今回我々は熱中症と間違われた急性冠症候群(ACS)の2症例を経験したため、若干の考察を加え報告する。熱中症による一例は2010年7月5日心肺停止で搬入され、救急外来で蘇生が可能であったが、低酸素脳症を併発しうる可能性があった。急性心筋梗塞(AMI)による心室細動と考えられたため、緊急心臓カテーテル検査を施行した。左冠動脈Seg.6に完全閉塞病変が存在し、今回の致死性eventの責任病変と思われたため、引き続き冠動脈形成術(primary stenting)を施行し、再灌流(TIMI3)に成功、大動脈内バルーンパンピング(IABP)を挿入し血行動態は落ち着いた。しかし、低酸素脳症に伴う脳幹障害による多臓器不全のため死亡された。もう一例は高齢の女性で典型的な胸痛発作はなく、全身倦怠感が主訴であったため近医で猛暑による脱水症として加療され、心不全を起こした時点で当院紹介となった。救急外来にて亜急性心筋梗塞およびうっ血性心不全(CHF)と診断し、2010年8月12日入院の上、CHFに対する内科薬物療法を優先施行した。CHF軽快後の心臓カテーテル検査にて左回旋枝Seg.11に完全閉塞病変を認め、冠動脈形成術(planned stenting)を施行し、軽快退院となった。ACSに対する経皮的冠動脈形成術(PCI)は20年以上の歴史を持ち、その院内死亡率は5%未満となり、発症早期に行なえばその有効性は更に増し、ACSの第1選択治療としてすでに確立している。いずれの症例も熱中症からACSに発展したものと考えられ、熱中症の診断においてはこのような致死性の心疾患も念頭に置いた鑑別診断が必要と思われ、また、診断治療の迅速性がその予後に大きく影響を与えると思われた。(著者抄録)
URI: http://hdl.handle.net/11665/386
ISSN: 1341-1845
出現コレクション:22巻

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