第2癌が潜在性に発育していた異時性重複癌症例 一高齢者慢性疾患患者の1例

Abstract

患者：舌癌， マロリーワイス症候群や下肢閉塞性動脈硬化症等の既往を有する71歳・男性。左側舌癌手術痕に口内炎を訴え来院し， 口内炎は投薬により治癒した。しかし， 同側舌根部に白斑が見られ細胞診を行い陽性と診断されたため， PET検査を行ったところ咽頭癌， 頸部リンパ節転移， 転移性肝癌， 骨転移等が明らかになった。第2癌として発生した咽頭癌の自覚症状はなく潜在性に発育し病期が進行していた症例を提示し， 高齢者の慢性疾患患者に対しては潜在性に発育する悪性腫瘍の可能性を共有したい。