高齢者の顎骨領域に転移した腎癌の1例； かかりつけ歯科医の役割

Abstract

上下顎骨に転移した腎癌の1例(87歳・男性）を報告した。本例は咬合・咀咽困難を主訴としてかかり つけ歯科院に受診し当科に紹介された。下顎骨の偏位に対応した咬合調整により咬合・咀哨機能の改善を行い， 暫間的ではあるにせよ日常の食生活に回復した。かかりつけ歯科医の役割は， 高齢者の咬合・咀哨機能を維持することで全人的医療の一面に寄与する。